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私たちはこれまで多くのスタートアップを見てきました。
スタートアップは最終的に「多くの人が欲しがるものを作る (Make Something People Want)」ことがゴールです。そこで私たちはまず「少数の人が愛してくれるものを作る (Make Something a few People Love)」ことをお勧めします。
これを達成するために私たちが強く推奨するスタートアップの方法が、以下の FoundX Way です。
私たちはこれまで多くのスタートアップを見てきました。
スタートアップは最終的に「多くの人が欲しがるものを作る (Make Something People Want)」ことがゴールです。そこで私たちはまず「少数の人が愛してくれるものを作る (Make Something a few People Love)」ことをお勧めします。
これを達成するために私たちが強く推奨するスタートアップの方法が、以下の FoundX Way です。
- Wow customers 😮
- Do things that don't scale 🔰
- Just launch and sell it 🚀💰
- Just ask it 📞
- Just do it 🧭
FoundX Way は私たち FoundX のスタートアップ支援の方針や、我々がプログラム参加者にやり方としてかなり強くお勧めする方法であり、こうした行動を身に着けてもらうことをプログラムの中で設計しています。(頻繁に振り返る、チームごとに持ち回りで言う、スタンプ的なものを押すなど)
もちろん、皆さんのチームでこれらの考え方と異なる考え方を採用しても構いません。ただ、私たちはこうした考え方に基づいてアドバイスやプログラムを行うため、あまりにお互いの考えが異なりすぎると価値観の不一致による衝突が起こってしまうかもしれません。それはお互いにとって良いものではありません。
なのである程度この考え方に賛同してくれて、かつ、こうしたやり方を身に着けたいという方に、プログラムの参加をご検討いただければと思っています。
各項目について、以下で詳細をお話しします。
もちろん、皆さんのチームでこれらの考え方と異なる考え方を採用しても構いません。ただ、私たちはこうした考え方に基づいてアドバイスやプログラムを行うため、あまりにお互いの考えが異なりすぎると価値観の不一致による衝突が起こってしまうかもしれません。それはお互いにとって良いものではありません。
なのである程度この考え方に賛同してくれて、かつ、こうしたやり方を身に着けたいという方に、プログラムの参加をご検討いただければと思っています。
各項目について、以下で詳細をお話しします。
1. Wow customers 😮
顧客を驚かせるぐらいのプロダクト体験を考えて、実行してみてください。プロダクトそのものだけでなく、一連の優れたプロダクト体験を提供して驚かせましょう。そして口コミが自然発生するぐらい驚くほど優れたサービスを作ることができれば、マーケティングなども不要になります。そのためにはユーザーの専門家になってください。Magic Moment を可能な限り早く提供しましょう。Insanely Great な体験を提供してください。初期のユーザーを満足させるとことに力を費やしたスタートアップが行き詰ってしまった例はほとんどありません。
💪 行動例
- 待っていないで自分たちでユーザーを獲得する
- 自分たちの手でサポートして、ユーザーをとにかく喜ばせる
- 起業家と顧客の間に何も置かない
- 特定の状況下において10倍の性能を誇るなど、はるかに優れたプロダクトを作る
- ユーザーにプッシュで語り掛ける
- ユーザーが驚くぐらいスケールしないこと、泥臭いことをする
- 驚くほど良い顧客サービスを提供する
- 口コミが自然発生するほどのプロダクトを作る
- 「これが自分が書いたソフトウェアじゃないとしたら、あなたは使いますか?」の問いに対して、強く「イエス」と答えられるようになる
2. Do things that don't scale 🔰
スケールしないことをしましょう。スケールしないことをして手作業で顧客に価値を提供すれば、Wow customers にもつながります。広告などを使わず、自分たちでユーザーを捕まえましょう。C向けだったらユーザーの家に行ってサービスを使ってもらいましょう。B向けだったら自分たちでコールドメール、コールドコール、飛び込み営業をして、一件一件訪問して、彼らのオフィスに長い時間腰を下ろしてみてください。彼らがあなたに言うことと、実際に行うことの両方を尊重して下さい。コンサルタントになりましょう。可能な限り、創業者とユーザーの間に誰も置かないで下さい。100時間以上インタビューか現場作業をして、現状の顧客の課題とプロセスの解像度を高めてください。そして100人の顧客まではスケールしないことをして、顧客を獲得してください。
💪 行動例
💪 行動例
- とにかくオフィスから出て顧客に会いに行く
- Collison Installation をする
- 現場の写真を撮る
- 顧客の課題の解像度を高める
- ドメイン知識を作ってください
- 自分たちで一人一人顧客を獲得する
- コミュニティに出向いて直接会いに行く
- ユーザーを深く理解する
- 現場でアルバイトとして働いて業務を学ぶ
- 現場に入って顧客の後ろから肩越しに観察し続ける
- 大量の顧客にインタビューする
- 骨の折れる手作業をする
- スケールしない方法で、素早くローンチできる方法を考える
3. Just launch and sell it 🚀💰
すぐにローンチできるものを作って、すぐにローンチして売り始めてみてください。
事業について最も多く学べるのは、現実の顧客との対話からです。ローンチするまでは架空のユーザーから得られる仮の学びでしかありません。ローンチしたときにはお金をもらってみてください。実際にお金を払ってくれる顧客から最も大きな学びが得られます。そして、悪いものであってもそれを売ろうとすることで、より良いアイデアに辿り着くヒントを得られます。
コンシェルジュ型MVPをお勧めします。人の手で顧客の望むアウトカムを提供してください。まずはサービスをローンチすることを優先してください。重要な機能だけが入っている恥ずかしいバージョン1を素早く市場に出して、顧客からのフィードバックを得てください。恥ずかしくないのならローンチが遅すぎます。「誰も聞いたことのない二人だけのスタートアップが作ったクソみたいなバージョン1でさえ使うほどに、これを欲しているのは誰か」という問いに答えられず、売れないのなら、それはおそらく悪いアイデアです。
初期の作品はすべてが恥ずかしいものです。どんなに有名なったサービスでも、誰も最初のローンチのことは覚えてはいません。大丈夫です。
💪 行動例
事業について最も多く学べるのは、現実の顧客との対話からです。ローンチするまでは架空のユーザーから得られる仮の学びでしかありません。ローンチしたときにはお金をもらってみてください。実際にお金を払ってくれる顧客から最も大きな学びが得られます。そして、悪いものであってもそれを売ろうとすることで、より良いアイデアに辿り着くヒントを得られます。
コンシェルジュ型MVPをお勧めします。人の手で顧客の望むアウトカムを提供してください。まずはサービスをローンチすることを優先してください。重要な機能だけが入っている恥ずかしいバージョン1を素早く市場に出して、顧客からのフィードバックを得てください。恥ずかしくないのならローンチが遅すぎます。「誰も聞いたことのない二人だけのスタートアップが作ったクソみたいなバージョン1でさえ使うほどに、これを欲しているのは誰か」という問いに答えられず、売れないのなら、それはおそらく悪いアイデアです。
初期の作品はすべてが恥ずかしいものです。どんなに有名なったサービスでも、誰も最初のローンチのことは覚えてはいません。大丈夫です。
💪 行動例
- 製品を作る前に自分たちで同じサービスをやってみる(コンシェルジュ型MVPでローンチする)
- 今日ローンチできる方法を考えて実行する(そういう方法がないか相談する)
- 恥ずかしいバージョン1でも、学びが多いなら恐れずに出荷して、かいぜ繰り返す
- ださくてもローンチする
- 最小のシンプルなものを作る
- とにかく雑に作ってコアな仮説を検証する
- 作ってから売るのではなく、売ってから作るつもりで行動する
- 工場に頼むのではなく、自分たちで組み立てる(Merakiをする)
- セールスアニマルになる
- ユーザーを巻き込む
- 問い合わせフォームなどから何度もコールドメールをして、テレアポをする
- 自分たちでテレアポやテレセールス、現場に飛び込み営業をする
- FAX やコールドメール、Twitter などで人を見つけて送る
- 大きな問題に取り組むときでも、小さなことから始める
4. Just ask it 📞
周りに助けを求めてください。
アドバイスを得ることは重要です。良い起業家は他の起業家よりもよく耳を傾けます。ただしあなたが求めない限り、誰も手を差し伸べてはくれません。分からなければ聞いてみてください。知らなければアドバイスを求めてみてください。「求めよ、さらば与えられん」です。
聞くことは恥ずかしいことかもしれません。でも少しだけ恥ずかしい思いをするだけで事業が進むのであれば、そう悪くない取引でしょう。依頼をした2%程度しか得られるものがないかもしれませんが、100件聞けば2件は反応が得られるかもしれません。必要な時は、Askしてください。
💪 行動例
アドバイスを得ることは重要です。良い起業家は他の起業家よりもよく耳を傾けます。ただしあなたが求めない限り、誰も手を差し伸べてはくれません。分からなければ聞いてみてください。知らなければアドバイスを求めてみてください。「求めよ、さらば与えられん」です。
聞くことは恥ずかしいことかもしれません。でも少しだけ恥ずかしい思いをするだけで事業が進むのであれば、そう悪くない取引でしょう。依頼をした2%程度しか得られるものがないかもしれませんが、100件聞けば2件は反応が得られるかもしれません。必要な時は、Askしてください。
💪 行動例
- スタートアップの反直観的なパターンを聞く
- 顧客のことは顧客に聞く
- 分からないことがあったら周りの支援者に聞く
- SNSなどでダメもとで聞いてみる
- 使えるものは何でも使う
- 場合によっては外部からお金(リソース)の調達をする
5. Just do it 🧭
今やりましょう。
起業家に最も大切なものは賢さではなく決意 (determination) です。あなたがなし得る最大の誤りは、十分熱心にやらないということであり、スタートアップの失敗の多くは、手を汚したがらなかったこと、本気になれなかったこと、そして決意のなさに起因します。
あなたのスタートアップは、あなたがやらなければ進みません。行動あるのみです (just do it)。
💪 行動例
起業家に最も大切なものは賢さではなく決意 (determination) です。あなたがなし得る最大の誤りは、十分熱心にやらないということであり、スタートアップの失敗の多くは、手を汚したがらなかったこと、本気になれなかったこと、そして決意のなさに起因します。
あなたのスタートアップは、あなたがやらなければ進みません。行動あるのみです (just do it)。
💪 行動例
- 泥臭いことでもやりぬく
- ユーザーと会うと決めたらユーザーと会う
- 嫌でもやる
- 面倒くさくても逃げない
- 面倒な仕事でも(面倒だからこそ)やりぬく
- 自ら手を汚す
- 楽しくないことでもする
- 自分ができないこと(開発など)があっても、できる範囲でやってみる
- 自分に足りないものを学ぶ(プログラミングやハックなど)
- ネガティブなことを言われてもやりぬいて、拒絶を個人的なものとして受け止めない
- 雑用もやる
- 覚悟を決める
- 本気でやる
- 絶えず機知に富む姿勢を維持する
- ランニングバックをする(前進する強い意志を持っているが、その目的のために、様々な時点で脇に逸れたり、後退したりすること)
- 目的は変えずに、アイデアを変更する
- それでも粘り強くいて、諦めない
🚩 スタートアップの例
それぞれの項目でのスタートアップの例を紹介します。
1. Wow customers 😮
- Wufoo はユーザーに手書きの手紙を送っていました
- Airbnb は最初、自分たちがニューヨークで戸別訪問をしてユーザーのリスティングを助けていました
- Facebook は最初大学の時間割を作り、ハーバード大学の学生に愛されるプロダクトを作っていました
- Stripe はβ版を試してくれると言ったユーザーのPCを借りて、その場でセットアップを行いました
2. Do things that don't scale 🔰
- Sansan は創業当時、創業者たちが名刺をスキャンして回っていました
- HomeJoy は最初、まず清掃員としてアルバイトして課題を見つけました
- E la Carte もレストラン用のソフトウェアを作るために、レストランの仕組みを学ぶためにウェイターの仕事をしました
- Nextdoor は近隣の住民を一軒一軒回りました
- Pinterest はコーヒーショップで赤の他人に自分のアプリを使うよう頼んでいました
- Doordash は最初、自分たちがデリバリーして、毎回フィードバックを得ていました
- とあるスタートアップは会社の前で張り込んでお客様を捕まえていました
3. Just launch and sell it 🚀💰
- Doordash の最初のサイトは、ドメインとPDFだけで、2時間で作りました
- Meraki は自分たちでルーターを組み立てました
- Apple も最初自分たちで組み立てていました
- Product Hunt は簡単なプロトタイプを作り、トラクションを見せて仲間を募りました
- Doordash は注文の管理にはGoogleドキュメントを使い、ドライバーの現在位置確認にはAppleの「友達を探す」機能を使っていました
4. Just ask it 📞
- Airbnb は Paul Graham をひたすら捕まえて聞いていました
5. Just do it 🧭
- Aribnb は達成目標や成長計画のグラフをあちこちに這って、達成できなければひたすら議論をしてました
- Airbnb は毎日のように新しいアイデアを試し、毎週 TechCrunch にニュースを送っていました
- Poppy は Y Combinator に落ちた後、YCに受かったつもりで成長の達成目標を追いかけていました(その結果を持ってYCに採択されました)
❌🆖❌ Just Don't Do It
Y Combinator が教えることは「何を無視したらいいかを教えること」だと言われています。私たちも同様に、無視したほうが良い活動についてアドバイスをします。そうしたアドバイスを受けて、「自分だけは違う」「自分にかぎっては例外」だと思うこともあるかもしれませんが、それは非常に例外的なケースだけです。
そこで以下に該当している活動をしている場合、スタッフはその行動を止める場合があります。また、こうした活動の支援を行うことはありません。
アンチパターン
以下のような方向性はスタートアップではうまくいかないことが多いため、お勧めしません。
以下のような方向性はスタートアップではうまくいかないことが多いため、お勧めしません。
- ❌ 顧客の課題ではなく、市場の課題に注目する
- ❌ 顧客の課題ではなく、ビジネスモデルやマネタイズに注目する
- ❌ 開発を外部に委託する、自分たちで行わない(技術系の共同創業者を探さない)
- ❌ 競合を意識する (1, 2)
- ❌ すぐに他人(アルバイトなど)や業者に任せて、手を汚したがらない
- ❌ 生半可な努力で済ませる
- ❌ お金を使いすぎる
偽の仕事
時間を失う最も危険な方法は、娯楽に費やすことではなく、偽の仕事に費やすことだと言われています。偽の仕事とは、仕事をやった気持ちになるものの、実質的な進捗が生まれない仕事のことです。スタートアップにおける偽の仕事は以下のようなものが代表的です。
- ❌ イベントへの登壇
- ❌ ネットワーキング
- ❌ 積極的なプレスリリース
- ❌ ブログなどでの発信によるパーソナルブランディング
- ❌ リーンキャンバスなどのフレームワークを埋めることに多くの時間を費やす
- ❌ プロダクトと関係のない受託開発での一時的な売上
- ❌ オウンドメディアの作成
- ❌ サイドプロジェクト
- ❌ 大学院に行く
大抵うまくいかない仕事
これらの仕事はパターンとしてうまくいかないどころか、時間とお金を浪費するため、お勧めしません。
- ❌ 他企業とのパートナーシップ (例1, 2, 3)
- ❌ 大きな取引にすべてを賭ける
- ❌ 大々的なメディア発表
- ❌ アンケートでのヒアリング
早すぎる懸念
以下のような懸念は、多くの場合は早すぎます。顧客がまだいないときは特にです。これらのことは、本当に必要になってから考えたり、専門家に聞けば良いことで、多くの場合、今やるべきことは顧客のところに行くことです。
- 会社設立の上手な方法
- 時期尚早な資金調達
- ビジネスモデルへの過剰な心配
- 知的財産の心配(ハードテック以外は考えなくとも良いことが多いです)
- 人の採用やストックオプションの構成
- マーケティングの手法(有料広告等)
- 規模拡大の方法
- コンバージョンの改善などのユーザー獲得の最適化
アンチパターンの例
- 例
- 例
FoundX Way の位置づけ
私たちにはいくつかの方針があり、以下のような違いがあります。
- FoundX Values - すべてのチームに求める、理想とする態度や行動の指針
- FoundX Way - すべてのチームに強く推奨する、ビジネスの進め方(Values よりも具体的なもの)(このページです)
- FoundX Code of Conduct - すべてのチームに求める、理想とする態度や行動の指針
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