FoundX で行っているスタートアップ支援とその方法 (随時更新)

東京大学 FoundX は 2019 年に始りました。私たちは FoundX で培ってきたスタートアップ支援の方法論を共有することで、日本におけるスタートアップ支援全体のレベルを上げることに貢献したいと思っています。

しかし各組織や各大学に対して個別に情報共有をしようとすると、私たちの業務時間を逼迫することになり、本業であるスタートアップ支援に時間を割けなくなってしまいます。そこで私たちは、私たちのやり方をドキュメントにまとめ、実施している内容を「可能な限り」公開することにしました。

FoundX には施設があるなどの特殊な条件を持っています。なのですべてのプログラムにこの設計が適用できるわけではありません。しかし一部の方法は転用可能だと思っています。私たちの一連のドキュメントが、スタートアップ支援を実施している皆さんや、今後 FoundX に入ってくる候補チームの方々の参考になれば幸いです。

なお、これらのドキュメントは参加者の皆さんに実際に使っていただいているもので、随時更新しています。そのため、内容は頻繁に変わることを予めご了承ください。(FoundX ディレクター 馬田)


🚩 FoundX の戦略

FoundX では、起業家が起業の社会関係資本を培うための支援に注力しています。

戦略全般
  • FoundX の戦略と活動方針 - FoundX の全体戦略について解説しています。
  • 4 時間ルール - 起業家の時間を奪うプログラムはパフォーマンスが低いという調査結果もあります。そこで私たちは 4 時間以上の時間を使わないような制約をかけています。

📚 Founders Program と Pre-Founders Program

Founders Program と Pre-Founders Program で行われる各活動の内容について解説します。
この二つのプログラムでは、主にチームのリズムを刻む手伝いをし、チームのモメンタムを作ることに注力しています。

概要
定例イベント
  • 定例ミーティング(火曜日) - 毎週火曜日 18:00 ~ 19:00 に進捗の確認を行います。定期的なリズムは進捗を生みだすトリガーとなります。
  • Group OKR ミーティング(木曜日) - 固定したグループで互いの進捗を確認してアドバイスしあうミーティングです。隔週木曜日に実施します。
  • Peer Reflection(木曜日) - 毎回異なる相手と、異なるトピックについて自分の経験の振り返りを行い、学びのきっかけにします。また互いのインタビュースキルの向上に貢献します。毎月一度、木曜日に実施します。
  • Product Demo Day(木曜日) - スライドの利用はナシで、製品のみを見せてフィードバックをもらう Demo Day です。毎月一度、木曜日に実施します。
  • Internal Demo Day - 四半期に一度、自分たちの最新のビジネス状況を他参加者へ共有するためのピッチを行う Demo Day です。
  • 自己紹介 LT - 三か月に一度、定例ミーティングの最後に自己紹介を3分ほどで行います。
  • Supporters Meetup - 三か月に一度、Supporters との対面でのイベントを実施し、アップデートと交流を行います(※コロナ禍においては中止)
初期のイベント
  • ガイダンス - FoundX のガイダンスを2日(合計 1.5 時間程度)に分けて行います。こちらのドキュメントは公開していません。
  • Intro Day - 新しく参加したチームが自己紹介を行うためのイベントです
  • 基礎講義 - FoundX に参加される方が知っておくべき基礎的な知識を選定してお伝えします。主に顧客インタビューについての講義となります。
初期のイベントと定例イベントのスケジュール例 38.5 KB View full-size Download

チェックポイント
  • 1st Quarter Review Meeting - 最初の三か月の振り返りを行います。構造化質問を通して、チームに振り返っていただくための機会として用意しています。
  • 2nd Quarter Investor Check - 五か月目に投資家によるチェックを行い、チームのプログラムからの進退を決めます。
不定期のイベント
コロナ禍においての特別イベント
  • Donuts Meeting - プログラム参加者の中で希望する人同士で、30分の雑談ミーティングを設定します。
  • Zoom Bar - 不定期に、起業家同士が深く話せる時間を提供します。
OKR の設定
各チームに各四半期の目標を OKR として設定していただいています。毎四半期の最初の金曜日が最初のドラフトの締切で、翌週水曜日までに OKR 設定レビューミーティングを持ち、その翌日の木曜日に Group OKR ミーティングを行います。
応募と評価について
評価のプロセスは、「一次審査」「二次審査」「面談」となります。詳細は Founders Program のページに掲載しています。以下ではどのような基準で私たちが評価しているかについてお話しします。
不採択時の対応について
不採択時にはフィードバックを行っています。その際の良くあるフィードバックをまとめています。
  • よく行うフィードバック - 不採択の際によくあるアイデアや書類についてのフィードバックをまとめています
  • 初期の検証方法 - 不採択になってもアイデアを進めていけるように、ヒントを提供しています
卒業や中断のプロセス
その他の関連ドキュメント
  • 私たちが望むアイデア - どのようなアイデアを求めているかについて説明を行っています
  • ピボットの基準 - アイデアをピボットしたとき、プログラムの継続ができなくなる場合があります。ピボットの基準とその対応について定めています。


📝 Fellows Program

Fellows Program はアイデアを探索するためのプログラムです。Pre-Founders Program の前のプログラムとして設計されています。
※ 2か月を1サイクルとして、合計3サイクルまで在籍可能です。2か月ごとに新しいメンバーが入ってきます。

定例会議の内容
3週間に一度、金曜日の 19:30 ~ 21:15 に開催されます。
  • T1 Meeting - サーベイ結果を共有し、興味のあるスタートアップについての知識交換を行います。
  • T2 Meeting - 課題仮説の検証結果を共有し、ソリューション仮説について共有します。
  • T3 Meeting - ソリューション仮説の検証結果を共有し、アイデアへのコミットメントを宣言します。
T1 は自己紹介とプログラムの説明を行います。T2 と T3 は、基本的には以下のような流れとなります。
  1. 30分起業家のオフレコのトークを実施
  2. 1時間、宿題の結果を基にした、サブグループでの情報共有とワークショップ

宿題
Fellows Program のメインの活動は、定例会議ではなく宿題でアイデアの探索と検証を行うことです。具体的には以下のようなステップでアイデアの検証を進めます。
  • T0 ~ T1 - FoundX Startup School の受講とスタートアップのサーベイを行います
  • T1 ~ T2 - 課題インタビューを行い、ソリューション仮説の生成を行います
  • T2 ~ T3 - MVP を作ってインタビューを行うことでソリューション仮説の検証を行い、アイデアの仮説の強度を検証します
  • T3 ~ T1 - アイデアを続ける場合はソリューションインタビューを引き続き行い、もしアイデアを変える場合は T0 ~ T1 と同じく新しい領域でサーベイを行います

サブグループ
  • Weekly Subgroup Meeting - 2か月間サブグループを固定し、週次でオンライン開催いただきます。Google Docs に議事録を記載いただきます。



🤝 Supporters Program

Supporters Program は Founders, Pre-founders, Fellows Program に参加する起業家を支援するためのプログラムです。起業に関するアドバイスだけではなく、知り合いベースの顧客の紹介などの支援を受けることができます。
参加者は原則東大卒業生です。ほかの FoundX プログラム卒業生の方で、東大以外のバックグラウンドの方もご参加くださっています。

概要
参加できる活動
Supporters Program の活動はすべて任意参加です。各自の余力の範囲内で、ボランティアで支援活動・コミュニティ活動に参加いただいています。
  • Discord - 「アソシエーション」参照
  • 東京大学スタートアップ Directory - 「アソシエーション」参照
  • メールマガジン - 毎週 FoundX からメールマガジンを配信しています。 Founders の週間アップデートや FoundX の活動報告などをお届けしています。
  • Supporters Meetup - FoundX に参加している起業家たちとの交流イベントを定期的にオフラインで開催しています。(※コロナ禍では中止)
  • オンラインイベント - サポーターが参加できるオンラインイベントを随時開催しています。サポーターにゲストとして協力いただくこともあります。(例:金曜日のランチレクチャー、Supporters オフィスアワー)
Supporters へのお願い
起業家・サポーター双方が安心してサポート活動に参加できるようにするため、サポーターに以下の内容をお願いしています。
その他の関連ドキュメント
  • 運営用ドキュメント(※公開できる形に整備中) - Supporters Program 運営者向けの内容をこちらでまとめています



👫 アソシエーション

FoundX にとって健全なコミュニティ(アソシエーション)の維持は重要な課題です。そこで私たちがアソシエーションの維持管理のために実施していることを解説します。

概念
活動
  • Tea Time - 毎日 15 ~ 16 時に、全チームが共通の休憩時間を取り、交流を行います。
  • Luncheon Lecture - 毎週金曜日の 12:30 - 13:00 にスタートアップに関する基礎的な講義を行います。
  • 弁護士 AMA - 二ヶ月に一度、弁護士の方をお呼びして「なんでも聞いて良い (ask me anything)」を実施しています
  • TGIF - 現在実施しておりません
システム
  • 東京大学スタートアップ Directory - FoundX に関わるスタートアップ関係者の皆さんの情報が相互に閲覧できる、人物検索システムです。(※ FoundX 関係者限定のためリンクはありません)
  • FoundX Discord - すべてのプログラム参加者が入っている Discord サーバーです。ほかのプログラム参加者との交流や情報共有等にご利用いただけます。FoundXからの案内等もこちらでしています。(※ FoundX 関係者限定のためリンクはありません)
ポリシー
  • Code of Conduct - 全てのプログラムに共通する行動規範です。
運営用ドキュメント
仕組み



施設運用やカルチャー

  • ハンドブックファースト - FoundX ではドキュメント中心の文化の一環として、ハンドブックを常に立ち戻る場所と定めています。そのためハンドブックは常にアップデートされ、検索可能な場所にあります。利用者は「ハンドブックを読んでない」という言い訳を行うことができません。
  • Focus Time 制度 - Tea Time 以外の午後は、Focus Time となり、コワーキングスペースでの会話は避けるようにお願いしています。
  • メンバーによるイベント開催ポリシー - 利用者がイベントを主催するときのポリシーとガイドです。
  • Fellows / Supporters Program の施設利用ガイド - Fellows と Supporters の方々向けの施設利用ガイドです。
その他、会議室利用のガイド、トイレの使い方、プリンタとスキャナの使い方、シュレッダーの使い方、自転車置き場、個室の使い方、ホワイトボード、共用書籍の使い方などに関するドキュメントなどがあります。細かいルールのため、ここでは公開しません。



📧 情報提供

FoundX では起業やスタートアップに役立つ情報公開を積極的に行っています。
  • FoundX Review - Y Combinator や a16z、Sequoia Capital などの記事を、許可をもらって翻訳しています
  • FoundX Resource - 過去の FoundX Review やそのほかの役立つ記事をカテゴリに分けて紹介しています
  • FoundX Online Startup School - Coursera 上でいつでも受講できるスタートアップの基礎知識をまとめたコンテンツです
  • FoundX Luncheon Lecture - 過去の Luncheon Lecture の録画を公開しています。
Founders Program と Pre-Founders Program 参加者向けには、より詳細なノウハウを記録した Knowledge Base を用意しています。こちらには参加者しかアクセスできません。


サービス

FoundX ではスタートアップの支援を行うためのサービスをいくつか無償で提供しています。
  • 法務サービス - 契約書のレビューなどを一定の範囲内で請け負っています。
  • クラウドサービス - いくつかのアクセラレーター向けのクラウド無償クレジットを提供してもらっています
  • メンタルカウンセリングサービス - 起業家のメンタルケアのサービスを外部の方にお願いして、無料で行うようにしています
  • バックオフィスサービス - バックオフィス業務に近いことを依頼ベースで請け負います。
  • 経営相談 - 会計士による経営相談会を定期的に開催しています。
  • 登記 - プログラム参加者は FoundX で登記できるようにしています。ただし九か月後には移転していただくことになるため、お勧めはしていません。



FoundX の内部オペレーション


ミッション、ビジョン
チームとしてミッションなどを定めておいた方が良いという観点から、FoundX 独自のミッションやビジョンを設定しています。
Values, Way
コミュニケーション
FoundX では主なコミュニケーションツールとして Basecamp を利用しています。そのほかのチャットツールなどは原則利用しません。また、会話や Zoom なども基本的には補助ツールとして扱います。
  • Default to Transparency - 基本的に情報は公開し、透明性を高めます。またドキュメント中心の文化は透明性に寄与してくれます。
  • Proposal Template - プログラムの大きな変更を行いたいときは、チームに対して提案をして決議を取ります。そのときのテンプレートです。
  • 日報 - 日報を通して経験学習を促進しながら情報共有を行います
  • スタッフ定例ミーティング - 毎週二回、25 分の定例ミーティングを実施して、議論や意思決定を行います(情報共有はドキュメントで行います)
  • 1-on-1 Meeting - ディレクターとスタッフは週に一度、1-on-1 ミーティングを行います。事前に Google Docs に
  • FoundX の用語ルール -  文章の書き方や翻訳語を統一しています。
  • FoundX での会議ポリシー(外部会議にも適用) - 会議のポリシーについて定めています。
ゴール設定
働き方
採用
  • 採用プロセス - FoundX のスタッフの採用プロセスを解説しています。
ポジション
現在これらすべてのサービスを、3 名のフルタイムスタッフで運用しています。ポジションはオープンしているときとそうでないときがありますが、興味のある方は詳細はキャリアのページをご覧ください。

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